旧伊藤伝右衛門邸に朝ドラ効果　５月入館者が前年の３倍も飯塚市長、描かれ方に複雑な表情 [福岡県]
2014年05月30日（最終更新　2014年05月30日 00時31分）

　旧伊藤伝右衛門邸（飯塚市幸袋）の入館者数が、５月は前年比３倍以上に増えた。
２９日の定例記者会見で斉藤守史市長が明らかにした。ＮＨＫ朝の連続ドラマ「花子とアン」の効果という。
市民からは、筑豊の描かれ方が悪すぎるとの批判もあるが、
旧伊藤邸を所有する市は「ドラマのおかげで入館者が増えたのは間違いない」と複雑な表情だ。

　市商工観光課によると、５月の入館者（２６日現在）は１万３４８０人で、前年同日比で約３・２倍。
伝右衛門の元妻で歌人の柳原白蓮をモデルにした葉山蓮子がドラマに出始めた４月下旬から毎日１００人以上が続き、
その後一度も３桁を切ることなく推移。１８日は１２２５人を記録した。

　一方、ドラマでは伝右衛門がモデルの炭鉱王、嘉納伝助に蓮子が嫁いで以降、
旧伊藤邸を想定した建物もしばしば登場し、酒席や音楽鑑賞のシーンで野卑なふるまいをする伝助や
筑豊の人たちが描かれている。

　記者会見で斉藤市長は「誇張された部分もあると思うが、視聴率は２５％近く、
（同じく福岡にゆかりのあるＮＨＫ大河ドラマ）軍師官兵衛より好調だし」と痛しかゆしの表情。
市担当者も「担当する脚本家の過去の作品を見ると、登場人物は皆最後はいい人で終わっている。
最終的に伝助も良く描かれるのではないか」と期待した。

＝2014/05/30付 西日本新聞朝刊＝
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/f_chikuhou/article/91555